長命草とは

(別名:ボタンボウフウ)
セリ科の宿根草。日本最西端の島「与那国島」の断崖、打ち寄せる波と強い潮風・照りつける太陽という環境で自生する野草。地元では「万病に効く薬草」と言われ珍重され、葉を「天ぷら・和え物」として食してきました。

“健康で長生きする薬草”

自然に自生する長命草は岩肌で育ちます。悪環境でも育つその野草は、昔から与那国島では薬草として食されてきました。「1株食べると1日長生きする。」と言われ、健康祈願として神に捧げられる植物でもありました。

長命草は、一般的な植物では考えられないのですが、「海水」を浴びても枯れず、栄養分として吸収し育つ珍しい植物です。大自然の厳しい環境で育ったこの野草は、良質なアミノ酸の他、カルシウム・カリウム等のミネラル類が豊富です。(※)

※(財)日本食品分析センターの分析験結果では、「長命草」はBカロテンやビタミンE、B1、B2、ルチンなどが豊富であることが証明されました。

長命草の伝説

今から500年前、与那国島は琉球王朝の植民地でした。その頃、島の人々は王朝に納めなければならない重い人頭税(島民の数だけ取られる税金)に苦しんでいました。

そこで、島民は口減らしを定期的に行っていました。今でもその場所は残っていて、久部良バリと言う、高さ3メートル、崖と崖の間が2メートルある場所でお腹が大きくなってきた妊婦を飛ばして、口減らしを行ってきました。

そんな悲しい時代のある日、ある体の弱い男の子が口減らしの為に家から追い出されてしまいました。
男の子は食べるものも無く、海岸をさまよっていました。あまりにもお腹が空いた男の子は、海岸に生えている草を来る日も来る日も食べたのです。

そして1週間が経った頃、その男の子はすっかり元気になって家に帰り、家族を大変驚かせました。その後も病気もせずに大変に長生きしたそうです。

そのことから、男の子が食べた草の事を命が長らえる草『長命草』と名付け、与那国島の人々の健康を守る為に大切に今でも食べられる様になりました。

※長命草の伝説は諸説あります。